真空中で、距離 $r$ だけ離れた、電気量 $q_1$、$q_2$ を持った2つの点電荷の間には、
$$F=k_0\frac{q_1q_2}{r^2} \cdots(ア)$$
という力がはたらくことが知られている。これを「クーロンの法則」という。
ただし、$8.99\times10^9~~[\mathrm{Nm^2/C}]$。
「万有引力の法則」ととても似ているが、万有引力が常に引力であるのに対し、
クーロン力は同じ符号のとき「斥力」、異符号のとき「引力」としてはたらくのが大きな違いである。
電荷 $q$ があれば、それによって「電場」という「場」が作られる。
ここで、「電場」を
電場に電荷 $q$ を置いたときの「単位電荷当たりの力」を受ける場 $\cdots(イ)$
として、定義する。
つまり、電場 $E$ は
$$E=\frac{F}{q} ~~[~\mathrm{N/C}~] \cdots(ウ)$$
と定義できる。
(ウ)に(ア)を代入して
$$E = \frac{k_0\dfrac{qq_2}{r^2}}{q_2}$$
$$\therefore 電場~E=k_0\frac{q}{r^2}~~[~\mathrm{N/C}~] \cdots(エ)$$
これは、「点電荷 $q$ が中心から $r$ の位置に作り出す電界 $E$ 」を表す。
ところで、電場は「向きと大きさ」を持つ「ベクトル量」であり、その場の表現として
$$「場」を「電気力線」という線の束で表す$$
ことで、見えない場を視覚化できる。
ここで、電場を「電気力線で定義」して再定義する。
$$電場E = 1~[\mathrm{N/C}]~は「1~(\mathrm{m^2})当たり~E~(本)の電気力線束が出ている」$$
と定義する。
すると、点電荷 $q$ の中心から距離 $r$ 離れた位置の電場の大きさは
(エ)より
$$\therefore 電場~E=k_0\frac{q}{r^2}~~[~\mathrm{本/m^2}~] \cdots(オ)$$
ともいえる。一方で、距離 $r$ の位置の球面の表面積 $S$ は
$$S=4\pi r^2~~[~\mathrm{m^2}~]$$
なので、
点電荷$q$ から出ている電気力線総本数 $\Sigma (~E~)$ は
$$\Sigma E = 4\pi r^2 \times E$$
$$=4\pi r^2 \times k_0\frac{q}{r^2}$$
$$\therefore \Sigma ~E = 4\pi k_0 q \cdots(カ)$$
つまり、
点電荷 $q$ からは $4\pi k_0 q~~[~本~]$ の電気力線が出ている。
ことになる。
以上より、
点電荷を内部に含む閉じた曲面を貫く電気力線の総和は点電荷の電気量に比例する
ことを
$$「ガウスの法則」$$
という。