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■ Physics ■

こんにちは。
今回は、「単振動の典型問題」についての話題その3です。。。

『浮力と単振動』を扱います。

では、さっそく、考えてみましょう。




表面積$S$、高さ$L$の円柱状の木片Aを水に浮かべると、長さ $\ell$ だけ沈んだ(図1)。 木片は水中を抵抗がなくなめらかに運動し、水面のゆれや表面張力は無視する。 また、すべての運動は鉛直方向のみを考え、横ゆれや回転運動などはしないものとする。 水の密度を$\rho$ 、木片Aの密度を $\rho_1$ 、重力加速度を $g$ とする。

木片Aの質量は、$\rho_1LS$ であり、木片Aが排除した水の質量が$\rho \ell S$ なので、 図1の「つり合いの位置にある」とき、 $$\rho_1LS - \rho \ell S =0 \cdots(ア)$$ が成立する。

ここで、つり合いの位置から木片Aを $x$ だけ移動させる(図2)と、運動方程式は、 $$\rho_1LS\cdot \frac{d^2x}{dt^2}=\rho_1LS \cdot g - \rho S g(l + x) \cdots(イ)$$ (ア)より、(イ)は、 $$\rho_1LS\cdot \frac{d^2x}{dt^2} = - \rho S g \cdot x$$ $$\therefore  \frac{d^2x}{dt^2} = - \frac{\rho g}{\rho_1 L}\cdot x \cdots(ウ)$$ ここで、単振動の角振動数を $\omega$ とすると、 $$\frac{d^2x}{dt^2}=-\omega^2x \cdots(エ)$$ と表されるので、
(ウ)、(エ)を比較して、 $$\omega^2 = \frac{\rho g}{\rho_1 L}$$ $$\therefore \omega = \sqrt{ \frac{\rho g}{\rho_1 L}} \cdots(オ)$$ となる。

よって、木片Aは、角振動数 $\omega = \sqrt{ \dfrac{\rho g}{\rho_1 L}}$ の単振動をし、 $$\therefore 周期T=\frac{2\pi}{\omega}=2\pi\sqrt{\frac{\rho_1L}{\rho g}} \cdots(カ)$$ である。


いかがでしたか。
理解は出来ましたか?

では、また次回にお会いしましょう。