旧・数学フォローアップ 【 旧コンテンツ 】

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こんにちは。
初回となる「算数フォローアップ」の記事を書いていきます。
今回は「整数問題」の定番である『余りと周期性』についての話題です。

では、さっそく、考えてみましょう。

問題 1から2021までの整数をかけた
$$ 1\times 2 \times 3 \times \cdots\cdots \times 2021$$ の積について、次の各問いに答えなさい。
  1. 積を順に3で割っていくとき、何回目に初めて3で割り切れなくなりますか。
  2. 積を計算したとき、一の位から何個0が続きますか。
  1. 3で割り切れるもの、つまり、3の倍数についてのみ考えればよいので、 $2021\div 3=673 \cdots 2$より、3の倍数は673個。
    さらに、この673個に対して3で割って
    $673\div 3 =224 \cdots 1$より、3の倍数は224個。
    さらに、この224個に対して3で割って
    $224\div 3 =74 \cdots 2$より、3の倍数は74個。
    さらに、この74個に対して3で割って
    $74\div 3 =24 \cdots 2$より、3の倍数は24個。
    さらに、この24個に対して3で割って
    $24\div 3 =8 \cdots 0$より、3の倍数は8個。
    さらに、この8個に対して3で割って
    $8\div 3 =2 \cdots 2$より、3の倍数は2個。
    で、これ以上は3で割り切れません。

    よって、$673+224+74+24+8+2=1005$(回目) まで割り切れる。

    $\therefore 1006回目で初めて3で割り切れなくなる。$

  2. $10=2\times5$ より、0が1個できるには、2が1個と5が1個必要になる。
    これより、$ 1\times 2 \times 3 \times \cdots\cdots \times 2021$の中に、 2で割り切れる回数と5で割り切れる回数を考えて、少ない方の回数が0の個数に等しくなる。
    ここで、2で割り切れる回数を考える。
    2で割り切れるもの、つまり、2の倍数についてのみ考えればよいので、 $2021\div 2=1010 \cdots 1$より、2の倍数は1010個。
    さらに、この1010個に対して2で割って
    $1010\div 2 =505 \cdots 0$より、2の倍数は505個。
    さらに、この224個に対して3で割って
    $505\div 2 =252 \cdots 1$より、2の倍数は252個。
    さらに、この252個に対して2で割って
    $252\div 2 =126 \cdots 0$より、2の倍数は126個。
    さらに、この126個に対して2で割って
    $126\div 2 =63 \cdots 0$より、2の倍数は63個。
    さらに、この63個に対して2で割って
    $63\div 2 =31 \cdots 2$より、3の倍数は31個。
    $31\div 2 =15 \cdots 1$より、2の倍数は15個。
    さらに、この15個に対して2で割って
    $15\div 2 =7 \cdots 1$より、2の倍数は7個。
    さらに、この7個に対して2で割って
    $7\div 2 =3 \cdots 1$より、2の倍数は3個。
    さらに、この3個に対して2で割って
    $3\div 2 =1 \cdots 1$より、2の倍数は1個。
    で、これ以上は2で割り切れません。
    よって、$1010+505+252+126+63+31+15+7+3+1=2013$(回) 割り切れる。

    さらに、5で割り切れる回数を考える。
    5で割り切れるもの、つまり、5の倍数についてのみ考えればよいので、 $2021\div 5=404 \cdots 1$より、5の倍数は404個。
    さらに、この404個に対して2で割って
    $404\div 5 =80 \cdots 4$より、5の倍数は80個。
    さらに、この80個に対して3で割って
    $80\div 5 =16 \cdots 0$より、5の倍数は16個。
    さらに、この16個に対して5で割って
    $16\div 5 =3 \cdots 1$より、5の倍数は3個。
    で、これ以上は5で割り切れません。

    よって、$404+80+16+3=503$(回) 割り切れる。

    したがって、2013回と503回の少ない方なので、 $$\therefore 503個の0が続く。$$
ポイント

 

問題 2を$N$回かけ続けたその積の計算結果を < $N$ > とする。
たとえば、< 5 > = $2\times2\times2\times2\times2=32$ なので、< 5 > = 32 となります。
<2021> の一の位の数字は何ですか。
$$<1> = 2$$ $$<2> = 2\times2=4$$ $$<3> = 2\times2\times2=8$$ $$<4> = 2\times2\times2\times2=16$$ $$<5> = 2\times2\times2\times2\times2=32$$ $$\cdots$$ から、一の位の数字は $$2 \longrightarrow 4 \longrightarrow 8 \longrightarrow 6 \longrightarrow 2 \longrightarrow\cdots$$ となって、 $$2 \longrightarrow 4 \longrightarrow 8 \longrightarrow 6$$ が「周期4」で繰り返される。
ここで、 $$2021 \div 4 = 505 \cdots 1$$ なので、4の周期が505回繰り返され、0番目が2であるので余り1は、2番目であることを示す。 $$\therefore  一の位は 4。$$




いかがでしたか。

では、また次回にお会いしましょう。