こんにちは。
今回は、「混合気体の燃焼」についての話題です。。。
では、さっそく、考えてみましょう。
問題
エタンとプロパンの混合気体がある。
この混合気体を標準状態で560ml とり、十分な酸素を加えて、完全燃焼させたところ、
1.62g の水が生成した。燃焼に要した酸素は何 g か、有効数字2桁で答えよ。
ただし、H$=1.0$、O=16 とする。
エタン $x$ mol、プロパン $y$ mol とすると、
この混合気体の標準状態での体積より、
$$\frac{0.56}{22.4}= x + y \cdots(ア)$$
である。また、それぞれの燃焼の反応式は
エタン C$_2$H$_6$ + $\dfrac{7}{2}$O$_2$ $~~\longrightarrow~~$ 2CO$_2$ + 3H$_2$O
$~~~~~~~~~~~~~~~~x~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~3x$
プロパン C$_3$H$_8$ + 5O$_2$ $~~\longrightarrow~~$ 3CO$_2$ + 4H$_2$O
$~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~x~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~4x$
であるから、
反応式の係数より、生じる水(H$_2$O=18)は、
$$\frac{1.62}{18}=3x+4y \cdots(イ)$$
(ア)、(イ)より、
$$\therefore x=0.010 ~(\mathrm{mol})、y = 0.015 ~(\mathrm{mol})$$
よって、燃焼に要した酸素(O$_2$=32)は、反応式の係数より、
$$\left(0.010\times\frac{7}{2}+0.015\times5\right)\times 32 \approx 3.5 (\mathrm{g}) //$$
問題
水素、アセチレン C$_2$H$_2$、一酸化炭素の混合気体 A がある。
A 50ml に酸素60 ml を加え、これらを完全燃焼させたところ体積は 37.5 ml になった。
燃焼後の気体を水酸化ナトリウム水溶液に通すと体積は 12.5 ml になった。
A に含まれていたアセチレンの体積は何 ml か。有効数字 2 桁で答えよ。
ただし、体積はすべて 25 ℃、$1.0\times10^{5}$ Pa のもとで測定し、生じた水はすべて液体で、
その体積は無視してよいものとする。
燃焼の反応式は、
H$_2$ + $\dfrac{1}{2}$O$_2$ $\longrightarrow$ H$_2$O
C$_2$H$_2$ + $\dfrac{5}{2}$O$_2$ $\longrightarrow$ 2CO$_2$ + H$_2$O
CO + $\dfrac{1}{2}$O$_2$ $\longrightarrow$ CO$_2$
ここで、温度と圧力は一定なので、気体の状態方程式 $PV=nRT$ より、
$$V = \frac{RT}{P}\cdot n$$
であるから、
$$「体積比は物質量比に等しい」$$
ここで、混合気体Aに水素 $x$ ml、アセチレン $y$ ml、一酸化炭素 $z$ ml が含まれるとすると、
$$\therefore x+y+z=50 \cdots(ア) $$
完全燃焼させた後に残る気体は、
生じた水はすべて液体で体積は無視されることから、
CO$_2$ と O$_2$ のみである。
これを水酸化ナトリウム水溶液に通すと、CO$_2$ が吸収されて O$_2$ だけが残る。
これにより、反応したO$_2$の体積は
$$60-12.5=47.5~\mathrm{ml}$$
燃焼の各反応式におけるO$_2$ の係数から、
$$\therefore \frac{1}{2}x + \frac{5}{2}y + \frac{1}{2}z=47.5 \cdots(イ)$$
反応後に生じた CO$_2$ の体積は、「完全燃焼後のCO$_2$ と O$_2$の混合気体から未反応の O$_2$ を除いた」ものなので、
$$37.5-12.5=25.0 ~\mathrm{ml}$$
また、燃焼の各反応式における CO$_2$ の係数より、
$$\therefore 2y+z=25.0 \cdots(ウ)$$
よって、(ア)、(イ)、(ウ)より、
$$\therefore y=11.25 \approx 11 ~\mathrm{ml} //$$
いかがでしたか。
理解は出来ましたか?
では、また次回にお会いしましょう。